転職活動の平均期間とスケジュールの立て方

サイト管理人
サイト管理人
転職1回・転職活動3回を経験。実体験をもとに情報をお届けします。
「転職活動って、だいたいどれくらいかかるものなんだろう?」——動き出す前に、まず知っておきたいのが全体の所要期間です。この記事では、厚生労働省の公的な調査で実際にどんな数字が出ているのかを確認したうえで、期間が長引く/短くなる要因、ステップごとの目安、そして在職中の方が入社希望日から逆算してスケジュールを組むコツを整理しました。職種や雇用形態を問わず使える考え方としてまとめています。

① 転職活動の平均期間は「3か月前後」と言われることが多い

転職の情報を集めていると、「転職活動の平均期間は3か月程度」という説明をよく目にします。実際、転職サービスのdodaでも、活動開始から内定を得るまでの期間は人によって異なるとしたうえで、平均で2〜3か月と考えるとよいという趣旨の案内がされています。

ただし、この「3か月」という数字はあくまで目安として紹介されているもので、全員がそこに収まるという意味ではありません。より実態に近い分布を知るために、公的な調査を見てみます。

厚生労働省の調査では「1〜3か月」が最も多い

厚生労働省が実施している「令和2年転職者実態調査」(個人調査)では、転職者が具体的に転職活動を始めてから、直前の勤め先を離職するまでの期間が集計されています。その結果は次のとおりです。

DATA|転職活動を始めてから離職するまでの期間
  • 「1か月以上3か月未満」……28.8%(最も多い)
  • 「転職活動期間なし」……23.6%
  • 「1か月未満」……18.3%

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表19(個人調査)

ここから読み取れるのは、「1〜3か月」が最も多いボリュームゾーンである一方、そこに収まっている人は3割弱にすぎないということです。「活動期間なし」「1か月未満」という短期のケースも合計で4割を超えており、期間の幅はかなり広いという調査結果になっています。

離職してから次の会社に入るまでの期間も見ておく

同じ調査では、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間も集計されています。転職活動全体の長さを考えるうえでは、こちらも合わせて見ておくと全体像がつかみやすくなります。

DATA|離職してから次の勤め先に就職するまでの期間
  • 「1か月未満」……27.6%
  • 「離職期間なし」……26.1%
  • 「1か月以上2か月未満」……13.3%
  • 「10か月以上」……5.5%

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表20(個人調査)

この調査では、「離職期間なし」と「1か月未満」を合わせると半数を超えているという結果になっています。つまり、在職中に活動を進めて、辞めてすぐ、あるいは間をあけずに次へ移った人が多いという傾向が読み取れます。

一方で、「10か月以上」も5.5%となっており、長期化するケースが一定数あることも同じデータが示しています。

⚠️ 「平均期間」の数字を読むときの注意点
  • 調査によって「何を測っているか」が違います。「活動開始〜内定まで」なのか、「活動開始〜離職まで」なのか、「離職〜入社まで」なのかで、数字は大きく変わります。
  • 平均値は、あなたの標準ではありません。分布を見ると数週間で決まる人も、半年以上かかる人も実際にいます。
  • 調査時点の状況が反映されています。上記は令和2年(2020年)時点の調査であり、景気や求人の動きによって傾向は変わり得ます。

② 期間が長引く要因・短くなる要因

同じ「転職活動」でも、条件によって必要な時間はかなり変わります。自分がどちら寄りなのかを先に把握しておくと、無理のない計画が立てやすくなります。

要因 期間が短くなりやすい 期間が長引きやすい
希望条件の幅 職種・勤務地・働き方に一定の幅を持たせている 条件を細かく絞り込んでいる(勤務地・年収・雇用形態すべて固定など)
経験と応募先の距離 これまでの経験を活かせる仕事に応募している 未経験の職種・業界に挑戦している
準備の状況 応募書類がすでに整っていて、すぐ出せる 書類を毎回ゼロから作っていて、応募のたびに時間がかかる
応募のペース 複数社に並行して応募し、選考が同時に進む 1社ずつ受けて、結果が出てから次に進む
選考日程の調整 面接の候補日を出しやすい(休みが取りやすい・時間の自由がある) 日程調整が難しく、面接が数週間先になってしまう
募集の時期 求人が動きやすい時期に重なった 年末年始・大型連休など、企業側の選考が止まる時期に重なった

特に見落としやすいのが、最後の2つ(日程調整と時期)です。自分の準備が万全でも、相手企業の都合や長期休暇によって、選考が1〜2週間単位で止まることは珍しくありません。スケジュールには、この「待ち時間」を最初から織り込んでおくのが現実的です。

🔍 「1社ずつ受ける」が長期化の大きな原因になりやすい
  • 1社の選考が終わるまでに、書類選考から内定まで1か月前後かかることがある
  • それを1社ずつ順番に繰り返すと、単純計算で「社数×1か月」になってしまう
  • 複数社を並行させると、同じ期間でも比較検討できる選択肢が増える

とはいえ、やみくもに応募数を増やせばよいわけでもありません。適切な社数の考え方については、転職活動は何社受けるべきかで詳しく整理しています。

③ ステップ別の目安期間を分解してみる

「3か月」とひとくくりに言われても、実際に何にどれだけ時間がかかるのかは見えづらいものです。転職活動を4つのステップに分解して、それぞれの目安を押さえておくと、自分の現在地が分かりやすくなります。

ステップ 主にやること 一般的に言われる目安
① 準備
(自己分析・書類作成)
転職理由の整理、希望条件の言語化、履歴書・職務経歴書の作成、求人情報の収集、エージェントへの登録・面談 2週間〜1か月程度
② 応募〜書類選考 求人を選んで応募、書類選考の結果待ち 応募から結果連絡まで1〜2週間程度が目安とされることが多い
③ 面接〜内定 面接(多くは2〜3回)、日程調整、条件提示 1か月〜1か月半程度
④ 内定〜退職・入社 労働条件の確認、内定承諾、退職の申し出、引き継ぎ、有給消化 1〜2か月程度(在職中の場合)

※上記の目安は、各社の選考の進め方や職場の引き継ぎ状況によって前後します。決まった基準があるわけではありません。

ステップ①:準備は「圧縮しやすいが、削りすぎない」

準備期間は、全体の長さを左右しやすいところです。ここを丁寧にやるほど、後の書類選考・面接の通過率が上がりやすく、結果として全体が短くなることもあります。

逆に、準備を飛ばして応募だけ先に始めると、書類が通らない期間が続いて、かえって長期化してしまうこともあります。「早く動き出す」ことと「準備を削る」ことは別物だと考えておくと安全です。

ステップ②〜③:ここは相手の都合で動く

応募してからの期間は、自分の努力ではコントロールしにくい領域です。企業側の選考スピードは会社ごとに大きく違い、1週間で面接まで進む会社もあれば、書類の結果連絡だけで2週間以上かかる会社もあります。

この区間で自分にできるのは、「並行して複数社を進めておく」「面接の候補日を早めに複数出す」「結果待ちの時間を次の準備に充てる」といったことです。待っている時間そのものを短くすることはできない、と割り切ったほうが精神的に楽になります。

ステップ④:意外と時間がかかるのが「内定後」

見落とされがちですが、内定が出てから実際に入社するまでにも、まとまった時間が必要です。在職中であれば、退職の申し出、業務の引き継ぎ、残っている有給休暇の消化などが発生します。

法律上は、期間の定めのない雇用契約であれば、退職を申し入れてから一定期間の経過で契約が終了する仕組みになっていますが、実務上は就業規則で「1か月前まで」「2か月前まで」といった申し出時期が定められている職場も多いのが実情です。まずは自分の職場の就業規則を確認しておきましょう。

退職の切り出し方や進め方については、退職の切り出し方・円満退職のコツで詳しくまとめています。

スケジュールの相談も、エージェントの役割です

「いつから動けばいいか」「この希望条件だとどれくらいかかりそうか」は、求人の動きを見ている担当者に聞くのが早い場合もあります。面談は無料で利用できます。

転職エージェントに相談する →

④ スケジュールの立て方(在職中は「逆算」で考える)

在職中に転職活動をする場合、おすすめしたいのは「入社したい時期」から逆算するという組み立て方です。「今から始めたら、いつ終わるか」ではなく、「この時期に入社するには、いつ動き始めればいいか」と考えます。

逆算の手順

  1. 入社希望日を仮に決める——「◯月に入社したい」という、ざっくりした時期で構いません。
  2. そこから1〜2か月戻して「内定・退職交渉の開始時期」を置く——引き継ぎと有給消化の分を確保します。
  3. さらに1〜1.5か月戻して「面接期間」を置く——複数社を並行して進める前提で考えます。
  4. さらに2週間〜1か月戻して「応募・書類選考の開始時期」を置く
  5. さらに2週間〜1か月戻したところが「準備を始める時期」——ここが実際のスタートラインです。

この手順で計算すると、入社希望日のおよそ4〜6か月前が、準備を始める目安になります。「3か月」という平均の数字より長く感じるかもしれませんが、これは内定後の退職・引き継ぎ期間まで含めて逆算しているためです。

🗓️ 逆算スケジュールの例(◯月1日入社を目指す場合)
  • 5〜6か月前:転職理由と希望条件を整理、情報収集を開始
  • 4〜5か月前:応募書類を作成、エージェントに登録・面談
  • 3〜4か月前:応募開始(複数社を並行)
  • 2〜3か月前:面接、条件確認、内定
  • 1〜2か月前:退職の申し出、引き継ぎ、有給消化
  • 入社

もちろん、これはあくまで一例です。選考がスムーズに進めばもっと短くなりますし、条件を絞っていれば長くなることもあります。大切なのは、正確な日程を当てることではなく、「今どのステップにいるべきか」を自分で把握できる状態にしておくことです。

期限を決めるなら「見直しの期限」にする

スケジュールを立てるときにありがちなのが、「◯月までに絶対に決める」と締め切りを設定してしまうことです。これは、期限が近づいたときに「妥協して決めてしまう」という結果につながりやすいという難しさがあります。

おすすめは、期限を「決断の締め切り」ではなく「やり方を見直すチェックポイント」にすることです。たとえば「1か月経っても書類が通らなければ、応募先の選び方か書類の内容を見直す」といった形にしておけば、焦りではなく改善のきっかけとして期限を使えます。

⚠️ 在職中の活動でよくあるつまずき
  • 面接日程が出せず、選考が止まる——平日夜やオンライン面接に対応してもらえるか、応募前に確認しておくと動きやすくなります。
  • 準備だけで数か月が過ぎる——完璧な書類を目指しすぎると、応募に進めません。書類は応募しながら改善していくものと考えると進みます。
  • 退職を先に伝えてしまう——内定が出る前に退職を切り出すと、選択肢が狭まることがあります。順番には注意が必要です。

⑤ 退職してから活動する場合に押さえておきたい期間

前述の厚生労働省の調査では在職中から次を決めた人が多い傾向が見られましたが、事情があって先に退職するケースも当然あります。その場合、スケジュールに加えてお金の見通しも一緒に考えておく必要があります。

雇用保険の基本手当(失業手当)はすぐには受け取れない

離職後にハローワークで手続きをしても、基本手当はすぐに振り込まれるわけではありません。まず、受給資格決定日から通算7日間の「待期期間」があります。

さらに、正当な理由がない自己都合により退職した場合には、待期期間の満了後に「給付制限期間」が設けられます。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの案内によると、この給付制限期間は離職日が令和7年(2025年)4月1日以降であれば原則1か月、それ以前であれば原則2か月とされています(過去5年間に自己都合退職を繰り返している場合など、扱いが異なるケースもあります)。

💰 「辞めてから」を選ぶなら、生活費の見通しを先に
待期期間と給付制限期間を合わせると、実際に手当を受け取れるようになるまでには一定の時間がかかります。そのうえで転職活動が数か月に及ぶ可能性もあるため、「無収入でも生活できる期間」がどれくらいあるかを、活動を始める前に確認しておくことをおすすめします。制度の詳しい条件や手続きは、お住まいの地域のハローワークで確認してください。

なお、活動できる時間が増えるぶん、退職後の活動には期間が短くなる方向の要素もあります。面接の日程を柔軟に出せる、平日の説明会に参加できる、といった点です。どちらが有利かは一概には言えず、経済的な余裕と、いま置かれている状況次第だと考えるのが現実的です。

⑥ 長引いても焦らないための考え方

転職活動が想定より長引くと、「自分は必要とされていないのではないか」と感じてしまうことがあります。ここは、多くの人がつまずくところです。

データが示しているのは「幅が広い」ということ

この記事の冒頭で見たとおり、調査結果は「みんな3か月で終わる」ことを示しているわけではありません。活動期間がほとんどない人もいれば、離職から10か月以上あいている人も5.5%いる、というのが実際の分布です。

つまり、平均より時間がかかっていること自体は、異常なことでも失敗でもありません。まずはこの前提を押さえておくと、必要以上に落ち込まずに済みます。

見送りは「否定」ではなく「マッチングの結果」

採用の合否は、能力の順位付けではなく、そのポジションで今求めている経験と、応募者の経験が噛み合ったかどうかで決まる部分が大きいとされています。同じ人が、ある会社では見送りになり、別の会社では高く評価される、ということは普通に起こります。

🌿 長引いたときにやってみたいこと
  • どの段階で止まっているかを分ける——書類で止まっているのか、面接で止まっているのかで、見直すポイントが変わります
  • 応募先の選び方を見直す——条件を1つだけ緩めてみると、対象が大きく広がることがあります
  • 第三者に見てもらう——書類や面接の受け答えは、自分では気づけない癖があるものです
  • いったん活動を止める日をつくる——毎日求人を見続けると消耗します。休む日を決めておくのも立派な戦略です

そして、そもそも「いつ動き出すか」自体に迷いがある方は、転職を考えるべきタイミングもあわせて読んでみてください。スケジュールを引く前に、「なぜ動きたいのか」がはっきりしているほど、途中でぶれにくくなります。

📌 まとめ

  • 厚生労働省「令和2年転職者実態調査」では、転職活動を始めてから離職するまでの期間は「1か月以上3か月未満」が28.8%で最多。ただし全体の3割弱で、期間の幅は広いという結果
  • 離職から次の勤め先への就職までは「1か月未満」27.6%、「離職期間なし」26.1%と、間をあけずに移った人が多い一方、「10か月以上」も5.5%
  • 「平均3か月」は目安であって、自分に当てはまる保証はない。調査ごとに測っている区間も違う
  • ステップは「準備」「応募〜書類選考」「面接〜内定」「内定〜入社」の4つに分けて考えると現在地が分かりやすい
  • 在職中なら、入社希望日から逆算して4〜6か月前に準備を始めるのが一つの目安
  • 退職してから活動する場合は、待期期間や給付制限期間があるため、生活費の見通しを先に立てておく
  • 期限は「決断の締め切り」ではなく「やり方を見直すチェックポイント」にすると焦りにくい
参考にした情報(出典)

※各数値は上記調査・案内の公表時点のものです。制度や統計は更新されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

※この記事は公的な統計と一般的な情報をもとに整理したものです。所要期間は職種・雇用形態・希望条件・時期によって大きく異なりますので、ご自身の状況を踏まえてご検討ください。雇用保険など制度の具体的な取り扱いについては、お住まいの地域のハローワークにご確認ください。