転職で年齢は不利になる?年代別の考え方

サイト管理人
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転職1回・転職活動3回を経験。実体験をもとに情報をお届けします。
「この年齢から転職するのは、やっぱり厳しいんだろうか」——転職を考えるとき、多くの人が一度は気にするのが年齢のことです。この記事では、まず法律上のルール(募集・採用での年齢制限は原則禁止です)を確認したうえで、公的な統計が実際にどうなっているのかを見ていきます。そのうえで、年代ごとに評価されやすいポイントと、年齢を重ねてからの転職活動で準備しておきたいことを整理しました。職種・雇用形態を問わず使える考え方としてまとめています。

① 「年齢で不利になる」は本当?——まずデータを見てみる

「年齢」の話は、印象や噂で語られがちなテーマです。まずは、感覚ではなく公的な統計で実態を確認するところから始めます。

年齢が上がるほど転職する人の割合は下がる。ただしゼロではない

厚生労働省の「令和6年(2024年)雇用動向調査」では、その年に転職して入職した人の割合(転職入職率)が、性別・年齢階級ごとに集計されています。結果は次のとおりです。

DATA|性、年齢階級別の転職入職率(令和6年)
  • 25〜29歳:男性15.1%/女性16.8%
  • 30〜34歳:男性10.3%/女性13.2%
  • 35〜39歳:男性7.9%/女性10.5%
  • 40〜44歳:男性6.8%/女性10.2%
  • 45〜49歳:男性6.0%/女性10.7%
  • 50〜54歳:男性5.1%/女性8.2%
  • 55〜59歳:男性5.4%/女性7.6%
  • 60〜64歳:男性10.0%/女性7.7%
  • 65歳以上:男性10.1%/女性6.5%

出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」図4-1(転職入職者の状況)。全体の転職入職率は9.7%。

この数字から読み取れることは、大きく3つあります。

「年齢が上がると必ず条件が下がる」わけでもない

もうひとつ、意外に思われるかもしれないデータがあります。同じ調査には、転職した人の賃金が前職と比べて増えたか減ったかという集計もあります。

DATA|転職入職者のうち賃金が「増加」した人の割合(令和6年)
  • 25〜29歳:46.3%/30〜34歳:46.1%/35〜39歳:45.5%
  • 40〜44歳:45.9%/45〜49歳:46.4%
  • 50〜54歳:39.0%/55〜59歳:27.4%/60〜64歳:13.6%

出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表6。全体では「増加」40.5%、「減少」29.4%。

40代前半・後半で賃金が増加した人の割合は、20代後半とほとんど変わりません。「年齢が上がる=条件が下がる」と単純には言えないことが分かります。一方で、55歳以降は「増加」の割合が下がり、「減少」が上回る傾向が見られます(55〜59歳では減少が9.2ポイント上回り、60〜64歳では定年後の再雇用などの影響もあって差が大きくなります)。

⚠️ データの読み方について
ここで見た数字は、あくまで全国・全産業の平均的な傾向です。実際の転職のしやすさは、職種・業界・地域・保有資格・希望条件によって大きく変わります。人手が足りていない分野では年齢を問わない募集が多く行われている一方、応募が集中する分野では選考が厳しくなる、といった違いがあります。「◯代だからこう」と一括りにできるデータではないという前提で読んでください。

② 法律上のルール:募集・採用の年齢制限は原則禁止

ここが、意外と知られていない大事なところです。日本では、労働者の募集・採用にあたって年齢制限を設けることは、法律上、原則として禁止されています。

根拠となる法律

根拠は、労働施策総合推進法(正式名称:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)第9条です。この法律は、以前は「雇用対策法」という名前でした(2018年の改正で現在の名称になり、条文の番号も旧第10条から第9条に繰り上がっています)。古い解説記事では「雇用対策法」と書かれていることがありますが、内容としては同じルールを指しています。

厚生労働省は事業主向けのリーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」で、このルールを次のように説明しています。

📖 厚生労働省リーフレットが示す「年齢制限禁止のポイント」
  • 労働者の募集・採用の際には、原則として年齢を不問としなければならない
  • ハローワークを利用する場合だけでなく、民間の職業紹介事業者、求人広告、自社ホームページでの直接募集も含め、広く「募集・採用」に適用される
  • パート、アルバイト、派遣など、雇用の形態を問わない
  • 形式的に求人票を「年齢不問」とすればよいということではなく、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定することは法違反になる
  • 応募者の年齢を理由に、雇用形態や職種などの求人条件を変えることもできない

つまり、「年齢だけを理由に落とす」ことは、法律が想定していない扱いだということです。求人票に年齢の記載がないのは、企業が気を遣っているからではなく、法律のルールがそうなっているからです。

ただし「罰則」があるわけではない

正直なところも書いておきます。この規定に違反しても、直接の罰則が定められているわけではありません。実際の運用としては、求人の内容が法令に違反する場合に、ハローワークから資料の提出や説明を求められたり、助言・指導・勧告といった措置がとられたりするほか、ハローワークや民間の職業紹介事業者がその求人の受理を拒否することがある、という形になっています(同リーフレットより)。

ですから、「法律で禁止されているのだから、年齢が理由で落ちることは絶対にない」とまでは言えません。ただ、少なくとも「年齢で切るのが当たり前」という前提は、制度上は成り立っていない——このことは、応募する側として知っておいて損はありません。

③ 例外として年齢制限が認められる6つの場合

原則は年齢不問ですが、例外的に年齢制限が認められる場合が、省令(労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項)で限定的に定められています。求人票で年齢が示されているときは、基本的にこのいずれかに当てはまるケースだと考えられます。

例外事由 内容 求人の例
1号 定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 定年が60歳の会社が「60歳未満の人を募集」
2号 労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合 「18歳以上の人を募集」(労働基準法第62条の危険有害業務、警備業法第14条の警備業務など)
3号イ 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 「35歳未満の人を募集(高卒以上・職務経験不問)」
3号ロ 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種で労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 特定職種で30〜39歳の層が上下の年齢層の半分以下しかいない場合の年齢限定募集
3号ハ 芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合 演劇の子役の募集など
3号ニ 60歳以上の高年齢者、または特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇い入れ助成金など)の対象となる人に限定して募集・採用する場合 「60歳以上の人を募集」

出典:厚生労働省リーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」(労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項)。表現は分かりやすさのため一部要約しています。

知っておくと役に立つ「例外の細かいルール」

この例外事由には、応募する側にとって意味のある細かいルールがついています。

💡 「35歳未満」といった求人に添えられた条件の意味
  • 3号イ(長期勤続によるキャリア形成)を理由に上限年齢を設ける場合、職務経験を条件に加えることはできません。「◯◯の経験者募集」「実務経験がないと取得できない資格の保持者」といった条件と、上限年齢を同時に設けることは認められていません。つまり、年齢の上限がある求人は、その分だけ「経験不問」であることが多い、ということです。
  • この例外は、期間の定めのない労働契約(=無期雇用)が前提です。「契約期間1年・更新あり」といった有期契約で年齢の上限を設けることは認められていません。
  • 下限年齢(「◯歳以上」)を設けることもできません。「一定の経験が必要だから50歳以上で募集」というのは、上限でなく下限であっても認められない扱いです。
  • 「若年者等」は基本的に35歳未満が想定されていますが、必ずしも35歳未満に限られるものではないとされています(定年がある場合、勤続可能期間が極端に短くなる上限年齢は認められず、おおむね45歳未満が目安とされています)。

また、上限年齢(65歳未満のものに限る)を定めて募集・採用する場合、事業主にはその理由を求職者や職業紹介事業者に対して書面や電子媒体で示す義務があります(高年齢者雇用安定法第20条第1項)。「なぜこの年齢が上限なのか」は、本来、示されるべき情報だということです。

「この年齢で応募できる求人はあるか」も相談できます

年齢の上限がある求人・ない求人の実際の割合や、自分の経験でどのあたりが狙えるかは、日々求人を見ている担当者に聞くのが早い場合もあります。エージェントとの面談は無料で利用できます。

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④ 年代別に評価されやすいポイント(あくまで一般的な傾向として)

ここからは、年代ごとに「どういう点が見られやすいと言われているか」を整理します。最初にお断りしておくと、これは年齢で人を分類するための表ではありません。厚生労働省のリーフレットも、体力や指導力といった能力について「個人差がある」「年齢では測れない」と繰り返し述べています。あくまで「自分の何を前に出して伝えるか」を考えるためのヒントとして読んでください。

年代 見られやすいと言われる点 準備で意識したいこと
20代 これからの伸びしろ、学ぶ姿勢、環境への適応力。実務経験の量そのものより、意欲や基礎的な力が見られる場面が多いとされます 経験が浅いことを前提に、「なぜその仕事をしたいか」「入社後どう学ぶか」を具体的に説明できるようにする
30代 これまでの経験を新しい職場でも再現できるか(即戦力性)。小規模なチームのとりまとめや後輩の指導経験が見られることもあります 実績を「担当範囲・役割・工夫したこと・結果」の形で言語化する。数字で示せるものは数字で
40代 専門性の深さ、部門をまたぐ調整力、後進の育成やマネジメントの経験。「任せられる範囲の広さ」が問われやすくなります これまでの経験を棚卸しして整理し、応募先が抱えていそうな課題と結びつけて話せるようにする
50代以降 長年培った専門性、突発的な事態への対応経験、社内外の関係づくり。組織づくりや技能・ノウハウの継承を期待されることもあります 役職・年収・勤務地などの希望条件に優先順位をつけておく。働き方(雇用形態や勤務日数)の選択肢も広く見ておく

この表を見て分かるとおり、年齢を重ねることは、失うだけの変化ではありません。経験の蓄積、判断の引き出し、人との関係づくりといった、時間をかけないと手に入らないものが増えていきます。実際、法律が例外事由として「技能・ノウハウの継承」(3号ロ)や「60歳以上の高年齢者の雇用促進」(3号ニ)をわざわざ設けているのは、経験を重ねた人を必要としている場面が現実に存在することの裏返しでもあります。

年代の話より大事なのは「募集の中身と合っているか」

採用の合否は、能力の順位付けというより、そのポジションで今求めている経験と、応募者の経験が噛み合ったかどうかで決まる部分が大きいとされています。同じ人が、ある会社では見送りになり、別の会社では高く評価される、ということは年代を問わず普通に起こります。

厚生労働省のリーフレットにも、企業が「若い人でないと難しい」と考えていた仕事で、実際には50代・60代の応募者を採用してうまくいった事例がいくつも紹介されています。採用する側の「思い込み」で狭まっていた枠が、募集の書き方を変えたことで広がったという趣旨の事例です。応募する側も、「年齢的に無理だろう」と自分で候補から外してしまう前に、募集内容そのものを読んでみる価値があります。

⑤ 年齢を重ねてからの転職活動で準備しておきたいこと

とはいえ、①で見たとおり、年齢が上がるほど転職する人の割合が下がるのも事実です。準備の丁寧さで差がつきやすくなる、と考えて動くのが現実的です。

1. 経験の棚卸しを、年数ではなく「できること」で書く

経験が長くなるほど、職務経歴書は情報量が増えて読みにくくなりがちです。ポイントは、「◯年やりました」ではなく「何ができて、何を任せられるか」で書くことです。応募先の募集内容に関係が深い経験を前に出し、関係の薄いものは思い切って短くまとめます。書き方の基本は職務経歴書の書き方の基本で詳しくまとめています。

2. 希望条件に優先順位をつけておく

①のデータで見たとおり、55歳以降は賃金が前職より下がる人の割合が増える傾向があります。これは避けられない場合もあるため、「絶対に譲れない条件」と「状況次第で調整できる条件」を先に分けておくと、判断がぶれにくくなります。年収・勤務地・役職・勤務日数・仕事内容のうち、何を最優先にするかを決めておくイメージです。

3. 「年下の上司」への向き合い方を整理しておく

経験のある人を採用する側が気にしがちなのが、既存メンバーとの関係です。厚生労働省のリーフレットでも、「自分より年長者は指導しづらいのではないか」と考えていた事業主が、実際には40代の応募者を採用してうまくいった事例が紹介されています(リーフレットはこれを「年上の部下もありえます」として、年齢による思い込みを見直すよう呼びかけています)。

面接でこの点に触れられたときに、過去にどんな体制で働いてきたか、役割が変わったときにどう対応したかを、事実として説明できるようにしておくと、余計な不安を持たれずに済みます。

4. 応募先の幅と、活動期間に余裕を持つ

条件を絞り込むほど対象は少なくなります。業界・企業規模・雇用形態のうち、どれか1つを緩めてみると、対象が大きく広がることがあります。また、応募から内定までにかかる期間も見込んでおきたいところです。全体のスケジュールの立て方は転職活動の平均期間とスケジュールの立て方で整理しています。

5. 使える窓口を一通り知っておく

年齢の上限がない求人や、経験を重ねた人を対象にした募集は、どの窓口にも一定数あります。ハローワーク、転職エージェント、求人サイト、企業への直接応募では、扱う求人の傾向が違います。それぞれの特徴と使い分けは転職エージェントとハローワークの違い・使い分け方にまとめています。

⚠️ 年齢に関する情報でよくある誤解
  • 「35歳限界説」——かつてよく言われた話ですが、①で見たとおり、35歳以上でも毎年多くの人が転職しています。目安として語られてきた通説であり、法律や統計に裏づけられたルールではありません。
  • 「年齢を書かなければ有利になる」——履歴書には年齢を記載するのが一般的です。伏せることを考えるより、経験をどう見せるかに時間を使ったほうが実りがあります。
  • 「求人票に年齢がなければ何歳でも歓迎」——年齢不問は法律上の原則であって、その職場が求める経験と合っているかは別の話です。募集内容そのものをよく読むことが大切です。

⑥ 年齢を理由にした対応を受けたと感じたときは

もし、求人票に例外事由に当てはまらない年齢制限が書かれていたり、応募の段階で年齢だけを理由に断られたと感じたりした場合、まずはハローワークに相談できます。厚生労働省のリーフレットでも、求人の内容について不明な点は最寄りのハローワークに問い合わせるよう案内されています。求人の内容が法令に違反している場合には、ハローワークから事業主への助言・指導などが行われることがあります。

また、上限年齢が示されている求人については、前述のとおりその理由が示されることになっています(高年齢者雇用安定法第20条第1項、上限年齢が65歳未満の場合)。理由が分からないまま気にし続けるより、確認できる情報は確認したほうが、次の判断がしやすくなります。

💬 ただし、期待しすぎないことも大切です
②で書いたとおり、この規定には罰則がなく、行政指導が中心です。個別の応募について「採用しなおしてもらう」といった救済を保証する仕組みではありません。制度を知っておくことは大事ですが、1社の結果にこだわって時間を使うより、次の応募に切り替えたほうが結果的に早く進むことも多い、というのが現実的なところです。
一人で抱えず、外の目を入れてみる

「この経験で、どのあたりの求人に応募できるのか」は、自分では判断しづらいところです。求人の動きを見ている第三者に見てもらうと、想定していなかった選択肢が見つかることもあります。

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📌 まとめ

  • 募集・採用における年齢制限は、労働施策総合推進法第9条により原則として禁止。ハローワーク経由に限らず、求人広告や自社サイトでの直接募集も対象で、パート・アルバイト・派遣など雇用形態も問わない
  • 例外が認められるのは、省令で定められた6つの事由(1号・2号・3号イロハニ)に限られる。上限年齢(65歳未満)を設ける場合は、その理由を示す義務がある
  • 「35歳未満・経験不問」といった求人は、長期勤続によるキャリア形成を理由とする例外(3号イ)にあたるケース。この場合、職務経験を条件に加えることはできない決まりになっている
  • 統計上、年齢が上がるほど転職する人の割合は下がる傾向があるのは事実。ただし45〜49歳でも男性6.0%・女性10.7%が転職して入職しており、ゼロではない
  • 一方で、転職して賃金が「増加」した人の割合は40代でも46%前後と20代後半とほぼ同水準。「年齢=条件が下がる」と単純には言えない。55歳以降は減少が上回る傾向がある
  • 年代ごとに見られやすい点は変わるが、これは分類のためではなく「自分の何を前に出すか」を考えるためのヒント。能力や適性の個人差は年齢では測れない
  • 年齢を重ねてからの活動では、経験の棚卸し・条件の優先順位づけ・応募先の幅・期間の余裕が特に効いてくる
参考にした情報(出典)

※各数値・制度の内容は上記資料の公表時点のものです。統計は毎年更新され、法令も改正されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

※この記事は、公的な統計と法令に関する一般的な情報をもとに整理したものです。特定の年代の方の有利・不利を断定するものではなく、転職のしやすさは職種・業界・地域・希望条件によって大きく異なります。法令の具体的な適用や個別の求人の適否については、最寄りのハローワークにご確認ください。