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職業訓練(ハロートレーニング)と教育訓練給付|転職前後に使える公的な学び直しの制度

サイト管理人
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転職1回・転職活動3回を経験。実体験をもとに情報をお届けします。
転職を考えるとき、「今の経験だけでは次に進みにくいかもしれない」「学び直してから動きたいが、費用や生活が心配」と感じる方は少なくありません。実は、国には公共職業訓練・求職者支援訓練(あわせて「ハロートレーニング」と呼ばれます)と、教育訓練給付制度という、学び直しを支える公的な仕組みがあります。この記事では、それぞれの対象、受講の流れ、受講料や給付の考え方、最近の改正を、厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・e-Gov法令検索で確認できた範囲で整理しました。退職後の失業保険など手続き全般は退職に伴う手続きと、退職後に使える制度まとめ、ハローワークと転職エージェントの使い分けは転職エージェントとハローワークの違い・使い分け方で説明しているので、ここでは「学び直しの制度」に絞ります。
⚠️ はじめにお読みください
この記事は、2026年10月時点で厚生労働省・ハローワーク・e-Gov法令検索に掲載されている内容を確認し、一般的な内容として整理したものです。制度の内容や金額、対象となる講座は、改正や年度ごとの見直しで変わることがあります。あなたが対象になるか、どの制度が使えるかは、雇用保険の加入状況や退職の状況などによって異なり、この記事では判断できません。この記事は特定の講座やスクールをすすめるものではなく、また「学べば転職できる」と約束するものでもありません。最新の情報と個別の可否は、お住まいの地域のハローワークでご確認ください。

① 学び直しを支える公的な制度の全体像

転職に関わる学び直しの公的な制度は、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

制度 どんな制度か 主な窓口
ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練) 仕事を探している人が、就職に必要な技能・知識を身につけるための職業訓練。受講料は原則無料(テキスト代などは自己負担) ハローワーク
教育訓練給付制度 厚生労働大臣が指定した講座を修了したときに、本人が支払った受講費用の一部が、雇用保険から支給される制度 ハローワーク(講座は検索システムで探す)

大まかな違いは、前者は「ハローワークで求職の申込みをして、訓練そのものを(ほぼ無料で)受ける」制度、後者は「自分で講座に申し込み、費用の一部を後から支給してもらう」制度という点です。後者は、在職中の方も対象になる場合があります(第5章)。

なお、どちらの制度も「資格や技能が身につく」ことを支えるもので、修了すれば転職や就職ができると決まっているわけではありません。何のために学ぶのかを先に整理しておくと、制度を選びやすくなります。転職を考え始める目安は転職を考えるべきタイミング、未経験の職種を目指す場合の考え方は未経験職種への転職を成功させるコツも参考にしてください。

② 公共職業訓練と求職者支援訓練の違い

ハロートレーニングは、2つの訓練を合わせた呼び名です。厚生労働省の案内では、次のように整理されています。

公共職業訓練(離職者訓練) 求職者支援訓練
主な対象 主に、雇用保険を受給している求職者 主に、雇用保険を受給できない求職者
受講料 無料(テキスト代は自己負担) 無料(テキスト代は自己負担)
受けられる給付 雇用保険を受給しながら訓練を受けられる 一定の要件を満たすと「職業訓練受講給付金」を受けられる

求職者支援訓練の対象は、法律(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律、通称「求職者支援法」)では「特定求職者」とされています。第2条では、ハローワークに求職の申込みをしている人のうち、雇用保険の被保険者や受給資格者を除き、労働の意思と能力があって、職業訓練などの支援が必要とハローワークの所長が認めた人、と定義されています(2026年10月時点のe-Govの条文)。

どちらの訓練にあたるか、自分がどちらの対象になりうるかは、雇用保険の加入状況や受給の状況で変わります。自分で判断せず、まずハローワークで相談するのが近道です。コースの種類や期間は地域や時期によって異なり、東京労働局の案内では、1年以上のコースは有料の場合があるとされています。

③ 受講の流れと、受講料・給付金の考え方

受講の流れ

厚生労働省の案内では、どちらの訓練も、受講にはハローワークが訓練の必要性などを認めて行う「受講あっせん」が必要とされています。流れは次のとおりです。

  1. ハローワークで求職の申込みと職業相談をする
  2. 訓練の受講申込みをする
  3. 面接・筆記試験などを受ける
  4. 合格したら受講あっせんを受け、受講が始まる

つまり、訓練は「申し込めばそのまま受けられる」ものではなく、選考があります。コースの内容や募集の時期は、ハローワークの窓口と、厚生労働省の「ハロトレ」の案内で確認できます。

受講中の給付

職業訓練受講給付金の主な要件は、厚生労働省の案内で、次の8つをすべて満たす必要があると整理されています(2026年10月時点で確認した内容です)。

📝 職業訓練受講給付金の主な要件(厚生労働省の案内より)
  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に、土地・建物を所有していない
  • 訓練の全実施日に出席する(やむを得ない理由で欠席しても、8割以上の出席が必要)
  • 世帯内に、この給付金を受けて訓練を受けている人がいない
  • 過去3年以内に、不正行為で特定の給付金の支給を受けていない
  • 過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない

案内では、本人収入と世帯収入の要件を満たさない場合でも、本人収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下などの条件で、通所手当を受けられる場合があるとされています。収入や「世帯」の範囲の数え方には細かい決まりがあるため、自分が当てはまるかは、ハローワークで確認してください。

④ 教育訓練給付制度|3つの類型と支給の考え方

教育訓練給付制度は、雇用保険法第60条の2に基づく制度です。条文では、雇用の安定と就職の促進のために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した場合に、本人が支払った受講費用の一定割合(厚生労働省令で定める率・上限)を支給する、と定められています(2026年10月時点のe-Govの条文)。指定講座は、類型によって次の3つに分かれています。ハローワークインターネットサービスの案内で整理された、基本の給付率と上限は次のとおりです。

類型 基本の給付率・上限 追加の支給
一般教育訓練 受講費用の20%(上限10万円) なし
特定一般教育訓練 受講費用の40%(上限20万円) 資格取得と就職などの条件を満たすと、50%(上限25万円)
専門実践教育訓練 受講費用の50%(年間上限40万円、半年ごとに支給) 資格取得・就職などの条件を満たすと70%(年間上限56万円)。さらに修了後の賃金が受講前より5%以上上昇した場合は、80%(年間上限64万円)

案内によると、専門実践教育訓練は最大3年間で、総額の上限は192万円です。賃金上昇による追加支給と、特定一般教育訓練の追加支給は、2024年10月1日以降に受講を開始した場合が対象とされています。また、支給額が4,000円以下の場合は支給されません。これらの数字は「目安」として読み、実際の額は受講する講座の指定内容と、ハローワークでの確認で決まります。

注意したいのは、給付の対象になるのは「指定された講座」だけで、費用の全額が戻るわけではないという点です。給付は受講後(専門実践は半年ごと)に申請して支給されるため、受講料はいったん自分で支払う必要があります。講座は、厚生労働省の「教育訓練給付制度の検索システム」で探せます。講座名やスクールの評価はこの記事では扱いません。内容・費用・修了後の見通しは、ご自身で複数の情報を比べて決めてください。

⑤ 教育訓練給付の対象になる人と、在職中の利用・手続き

対象になる人(雇用保険の加入期間などの要件)

ハローワークインターネットサービスの案内では、次のように整理されています(2026年10月時点で確認した内容です)。

📝 対象者の主な要件
  • 在職中の方:雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者などで、受講開始日の時点の雇用保険加入期間が3年以上
  • 離職した方:雇用保険の資格を失った後、受講開始日までが1年以内で、加入期間が3年以上
  • 初めて受給する場合:加入期間の要件が緩和され、専門実践は2年以上、特定一般・一般は1年以上
  • 受講開始日の前日から3年以内に、教育訓練給付金を受けたことがある場合は対象外
  • 厚生労働大臣が指定した講座を修了すること

このように、在職中でも、要件を満たせば利用できるとされています。「専門実践教育訓練給付金 在職中」で調べる方が多いと思いますが、離職者と同じ類型の給付を、在職者も受けられると案内されています。一方、離職した方は、離職後1年以内に受講を開始する必要があります。転職のために退職する予定の方は、退職前に雇用保険の加入期間と、いつ講座を始めるかを確認しておくと安心です。細かい点はハローワークにお尋ねください。

手続きの流れ

専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講前の手続きが必要です。

  1. ハローワークなどで「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブ・カード(職務経歴や職業能力を整理する書類)の交付を受ける
  2. 受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格の確認の手続きを行う
  3. 受講・修了する
  4. 修了後に支給申請をする(一般・特定一般は、修了日の翌日から1か月以内。専門実践は、受講開始から半年ごとの区切りの翌日から1か月以内など)

案内では、申請前にハローワークで受給資格や講座の指定状況を「支給要件照会」として確認できるとされています(電話での照会は受け付けていないとされています)。申し込んだあとで「対象外だった」とならないよう、講座に申し込む前の確認が大切です。また、専門実践教育訓練を受けている間に失業状態になった一定の方には、教育訓練支援給付金(基本手当日額の60%に相当する額)が支給される場合があるとされています。通信制・夜間制は対象外で、2027年3月末(令和8年度末)までの暫定措置とされているため、対象かどうかは窓口で確認してください。

⑥ 最近の改正|教育訓練休暇給付金と、給付制限の解除

近年、学び直しを支える仕組みが拡充されています。ここでは、厚生労働省・ハローワークの案内で確認できた2つを紹介します。

教育訓練休暇給付金(2025年10月創設)

厚生労働省の案内によると、教育訓練休暇給付金は2025年(令和7年)10月に創設されました。仕事を辞めずに教育訓練に専念するため、休暇を取る場合に、失業給付(基本手当)に相当する給付を受けられる仕組みです。厚生労働省の案内と雇用保険法第60条の3では、主な要件が次のように示されています。

案内では、休暇の取得には事業主の承認や手続が必要で、会社とよく相談する必要があるとされています。つまり、会社にそうした休暇の制度がなければ、使えない可能性があります。給付日数の区分や金額の具体的な数字は、確認できた範囲では原文で確かめられなかったため、ここでは書きません。詳しくは、ハローワークの案内をご覧ください。

自己都合退職の給付制限と、教育訓練による解除(2025年4月〜)

自己都合で退職した場合、失業給付(基本手当)の支給までに「給付制限」の期間があります。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの案内では、正当な理由のない自己都合による退職の給付制限期間は、2025年(令和7年)4月1日以降の離職の場合、原則1か月(それ以前は原則2か月)とされています。ただし、離職日から5年間に2回以上正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けた場合などは、3か月とされています。

さらに、同じ案内では、2025年4月1日以降に受講を始めた次のような教育訓練等を、離職の日前1年以内に受けた方、または離職の日以後に受けている方は、受講する期間と受け終わったあとの期間について、給付制限が解除されるとされています(途中で退校した場合は該当しません)。

案内には、教育訓練等を受けた方・受ける方はハローワークに相談するよう書かれています。どの講座が該当するか、手続きをどうするかは、早めに窓口で確認すると安心です。失業保険の基本は退職に伴う手続きと、退職後に使える制度まとめで整理しています。

⑦ 転職の前後で、どう考えるか

自分の場合にどう使えそうかを考えるときの視点を、一例として整理します(個別の可否の判断ではありません)。

学び直しにはお金と時間がかかり、修了後の就職が約束されるわけではありません。年代によって状況も異なります。30代は30代の転職、40代は40代の転職で、経験の棚卸しの考え方をまとめています。学び直しに進むかどうかで迷うときは転職して後悔しないために、活動が長引いて疲れたときは転職活動がつらいときの記事もご覧ください。転職の年の税金(年の途中で転職したときの確定申告など)は、同時公開の年の途中で転職したときの税金・確定申告で整理しています。

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学び直しの先の転職活動を、相談先のひとつとして考えたい方へ

学び直しとあわせて転職活動の進め方を相談したいときは、転職エージェントという選択肢もあります。ユメキャリAgentは、広告主の紹介によると、大手企業の現役の面接官が運営する転職エージェントとのことです。気になる方は、内容を見てみるのも一つの方法です。ただし、訓練や給付金の対象・条件については、ハローワークなどの公的な窓口でご確認ください。サービスの内容、対象、利用条件は、公式サイトでご確認ください。

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ハローワークとエージェントの違いを知りたいときは

公的な窓口と民間の転職エージェントの、役割の違いと使い分けを整理しています。

違いと使い分けの記事を見る →

📌 まとめ

  • 転職に関わる公的な学び直しの制度には、ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)と、教育訓練給付制度がある
  • 公共職業訓練は主に雇用保険を受給している人、求職者支援訓練は主に受給できない人が対象。どちらも受講料は原則無料(テキスト代などは自己負担)で、ハローワークでの求職申込みと受講あっせんが必要
  • 求職者支援訓練では、要件を満たすと月10万円の職業訓練受講給付金がある。収入や資産などの要件は、ハローワークで確認する
  • 教育訓練給付は、一般(20%・上限10万円)、特定一般(40%・上限20万円)、専門実践(50%・年間上限40万円)の3類型。在職中も、雇用保険の加入期間などの要件を満たせば利用できる場合がある
  • 最近の改正として、2025年10月の教育訓練休暇給付金の創設と、2025年4月以降の自己都合退職の給付制限期間の短縮・教育訓練による解除がある
  • 修了すれば転職できると決まっているわけではない。対象かどうか・手続きの時期は、講座に申し込む前にハローワークで確認する
参考にした公的機関の情報

※2026年10月時点で確認した内容です。制度の内容や金額、対象となる講座は改正・見直しされることがあります。最新の内容は、公式サイトやお近くのハローワークでご確認ください。

※本記事は、職業訓練と教育訓練給付制度について、公的機関の情報を整理したものです。個別の受給の可否や手続きについては、お住まいの地域のハローワークなどの窓口にお尋ねください。