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年の途中で転職したときの税金|年末調整・確定申告・住民税の考え方

サイト管理人
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転職1回・転職活動3回を経験。実体験をもとに情報をお届けします。
年の途中で転職すると、「年末調整は新しい会社でやってもらえるの?」「会社を辞めたあとの住民税はどうなる?」といった疑問が出てきます。最初に全体の流れをつかんでおくと、必要な書類や窓口が分かりやすくなります。この記事では、年の途中で転職したときの年末調整・確定申告・住民税の基本を、国税庁・自治体などの公的な案内で確認できた範囲でまとめました。税金の観点に絞った記事です。退職に伴う健康保険・年金・失業保険などは退職に伴う手続きと、退職後に使える制度まとめ、入社時の書類の全体は入社時に必要な書類と手続きで説明しています。
⚠️ はじめにお読みください
2026年10月時点で、国税庁・自治体などの公的機関が公表している案内をもとにまとめた一般的な情報です。この記事は、税額の計算や節税の方法をお伝えするものではありません。税金の扱いは、退職・入社の時期やお住まいの市区町村などによって変わります。個別の判断は、税務署や市区町村の窓口、税理士などの専門家にご確認ください。

① 年の途中で転職すると、税金の手続きはどう変わる?

会社員の所得税は、毎月の給与から、会社があらかじめ税金を差し引いて(源泉徴収して)納めています。そして年の終わりに、その年の正しい税額を計算して差し引きの調整をするのが年末調整です。国税庁の案内では、大部分の給与所得者は、会社が行う年末調整で所得税額が確定し、納税も完了するため、確定申告は不要とされています。

ところが、年の途中で転職すると、同じ年に前の会社と新しい会社の両方から給与を受けることになります。このとき、どの会社で、どのように年末調整を受けるかが変わってきます。まず、よくある3つの場面を整理します。

場面 所得税の手続きの基本的な考え方
年内に転職先へ入社し、年末まで勤務する 前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出し、新しい会社で年末調整を受けるのが基本
前の会社の源泉徴収票を提出できない・間に合わない 年末調整ができず、本人が確定申告で精算することになる場合がある
退職したが、年内に再就職しない 年末調整を受けていないため、確定申告(還付申告を含む)の対象になる場合がある

住民税は、前の年の所得に対して課税され、市区町村が徴収する税金です。退職や転職のタイミングによって、払い方が変わります(第6章)。

② 年内に転職先へ入社する場合|年末調整のしくみ

国税庁のタックスアンサー「No.2674 中途就職者の年末調整」では、年の途中で就職し、年末まで勤務している人も年末調整の対象とされています。同じ案内には、新しい勤務先が行う確認の手順が示されています。

  1. 就職する前に、その年に他の会社などから給与を受けていたかを確認する
  2. 前の会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出して給与の支払を受けていた場合は、その給与も含めて年末調整を行う
  3. 前の会社が支払った給与の金額と、そこから差し引かれた所得税・社会保険料の額を、前の会社が交付した「給与所得の源泉徴収票」などで確認する

つまり、前の会社の源泉徴収票は、新しい会社で前の会社の分も合わせて年末調整をするために使われる書類です。提出の期限や方法は会社ごとに決まっているので、新しい会社の案内に従ってください。

⚠️ 源泉徴収票を出せないとき
同じ案内には、前の会社の給与の金額などが確認できないときは、年末調整を行うことができず、本人が確定申告によって所得税などの精算を行うことになると書かれています。源泉徴収票を提出しない、または間に合わないと、確定申告が必要になる場合があるということです。源泉徴収票の受け取り方や、手元にないときの対応は、入社時に必要な書類と手続きで説明しています。

入社日の交渉は内定後の入社時期交渉・有給消化のコツ、内定後の労働条件の確認は内定後の労働条件通知書の確認ポイントをご覧ください。

③ 源泉徴収票の見方と、同じ年に複数の会社から給与を受けた場合

源泉徴収票の主な欄

源泉徴収票は、その年に会社が支払った給与と、差し引いた税金などを1枚にまとめた書類です。国税庁の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」では、主な欄について次のように説明されています(令和7年分の手引による)。

欄の名前 国税庁の手引による説明(要約)
支払金額 その年中に支払が確定した給与等(退職手当等を除く)の総額を記載する欄とされています
源泉徴収税額 給与から源泉徴収された所得税及び復興特別所得税に関する欄です。年末調整が済んでいるかどうかで記載の内容が異なるため、詳しくは手引の該当箇所でご確認ください
社会保険料等の金額 給与から差し引かれた社会保険料の金額と、小規模企業共済等掛金の金額の合計額を記載する欄とされています

確定申告をするときは、これらの金額を申告書に入力することになります。各欄の細かな意味は、様式や年分によって異なることがあるため、不明な点は税務署や会社の担当者に確認してください。

同じ年に2か所以上から給与を受けたとき

国税庁のタックスアンサー「番号1900 給与所得者で確定申告が必要な人」では、年末調整されるのは一般に1か所の給与とされています。転職の場合は、前の会社の給与も新しい会社の年末調整に含めて計算します(第2章)。

一方、年末調整をされなかった給与がある場合には、確定申告が必要になることがあります。同じ案内には、2か所以上から給与を受けていて、その全額が源泉徴収の対象になっている人のうち、年末調整されなかった給与の収入金額と各種所得の合計が20万円を超える場合などが、確定申告が必要な人として示されています。条件の細部は個別の事情によって異なるため、税務署に確認してください。

副業収入がある場合の確定申告については、転職と副業の両立を考えるでも触れています。

④ 年内に再就職しなかった場合・空白期間があるとき|確定申告

退職したあと、年内に再就職しなかった場合は、その年の年末調整を受けていないことが多くなります。国税庁のタックスアンサー「No.2030 還付申告」では、確定申告書の提出義務がない人でも、源泉徴収された税額が年間の所得税額を上回る場合は、確定申告によって納め過ぎの税金の還付を受けられるとされています。年の途中で退職して年末調整を受けておらず、源泉徴収された税額が納め過ぎになっているときは、原則として還付申告ができると説明されています。

📝 国税庁の案内で確認できる、還付申告の基本
  • 提出期間:その年の翌年1月1日から5年間とされています(青色申告特別控除など、申告期限までの提出が要件となる特例を使う場合を除く)
  • 提出先:提出時の納税地を管轄する税務署です
  • 作成の方法:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って金額を入力すると作成・提出ができるとされています
  • 注意:源泉徴収された税金がない場合は、申告しても還付は生じません

ここで気をつけたいのは、申告すれば戻るとは限らないことです。戻る金額があるかどうかは、その年の収入、源泉徴収された税額、受けられる控除によって異なります。

空白期間があっても、年内に再就職して年末まで勤務すれば、第2章の年末調整の対象になります。前の会社の源泉徴収票は手元に残しておきましょう。そのほか、次の点にも注意してください。

在職中に転職活動をするか退職後にするかは転職活動は在職中・退職後どちらがいい?、空白期間の伝え方は職歴にブランクがあるときの伝え方をご覧ください。

学び直しの制度は、同時公開の職業訓練と教育訓練給付の記事で整理しています。

⑤ 令和8年分から変わった点(令和8年度税制改正)

2026年(令和8年)の年末調整や確定申告では、令和8年度税制改正による見直しが関係します。国税庁の案内(令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A、令和8年5月1日現在の法令等に基づく)で確認できた範囲では、次のとおりです。

⚠️ 年の途中で退職した人は、確定申告が必要になる場合があります
同じQ&Aには、令和8年の中途で退職して年末調整を受けていない人や、令和8年分の最後の給与を令和8年11月30日以前に受けた人は、年末調整で改正後の内容が適用されないため、改正後の控除の適用を受けるには確定申告が必要とされています。ただし、源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄が「0」の場合などは、確定申告をしても還付される税金はないとされています。年内に転職先へ入社し、新しい会社で令和8年12月以後に年末調整を受ける場合は、その年末調整で改正後の内容が適用されます。

控除額の数字や、ご自身の場合にいくら変わるのかは、この記事では扱いません。国税庁の案内や税務署でご確認ください。

⑥ 住民税は前年の所得にかかる|退職・転職時の徴収方法

住民税の基本

東京都主税局の案内では、個人住民税は、前年の所得に基づいて税額が計算され、1月1日現在にお住まいの区市町村が課税・徴収するとされています。会社員の場合は、事業主が毎月の給与から差し引いて納める「特別徴収」が一般的で、6月から翌年5月まで、年12回に分けて給与から差し引かれると説明されています。会社を通さず、市区町村から届く納税通知書で本人が年4回に分けて納めるのは「普通徴収」です。

前の年の所得が基準になるため、退職して給与がなくなったあとも、前年の所得に対する住民税の支払いが残る場合があることに注意が必要です。

退職時期による徴収方法の違い(自治体の案内より)

退職したときの未納分(まだ給与から差し引かれていない残りの税額)の扱いは、退職の時期によって異なります。ここでは、横浜市・大阪市の案内で確認できた内容を紹介します。取扱いは自治体で異なる場合があるため、お住まいの市区町村と勤務先の担当者に確認してください。

退職の時期 残りの住民税の扱い(自治体の案内より)
1月1日〜4月30日 大阪市の案内では、本人の申出にかかわらず、給与や退職手当等から一括して徴収するとされています(地方税法第321条の5第2項が根拠として示されています)。ただし、5月31日までに支払われる給与等の額を残りの税額が上回る場合は、普通徴収になるとされています
6月1日〜12月31日 横浜市の案内では、一括徴収の申出がなければ、残りは普通徴収(本人が納付書で納付)になるとされています。申出をすれば、最後の給与や退職手当等から残りの全額を差し引く「一括徴収」もできます
再就職先で特別徴収を続ける場合 横浜市・大阪市の案内では、新しい勤務先で特別徴収を継続することを申し出た場合、未徴収分を新しい勤務先で引き続き給与から差し引くことができるとされています

大阪市の案内では、退職などで特別徴収ができなくなったとき、事業主は、異動があった月の翌月10日までに「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を市区町村へ提出するとされています。同じ案内では、提出が遅れると納税通知書の送付が遅れ、一度に多額の納付が必要になることがあるとされています。

「退職後の住民税をどう払うか」「新しい会社で引き続き給与から天引きしてもらえるか」は、退職前に前の会社の担当者と、お住まいの市区町村に確認しておくと安心です。住民税の切り替えを含む手続きの全体像は退職に伴う手続きと、退職後に使える制度まとめをご覧ください。

⑦ つまずきやすい点と、確認できる窓口

年の途中の転職で迷いやすい点と、確認先です。所得税は税務署、住民税は市区町村が窓口です。

税金の手続きは、一度に覚えようとすると混乱しやすいものです。「前の会社の源泉徴収票を手元に置く」「新しい会社の年末調整の案内に従う」「住民税の払い方を退職前に確認する」の3点から始めると、進めやすくなります。退職の切り出し方や、退職日までの進め方は退職の切り出し方・円満退職のコツも参考にしてください。

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📌 まとめ

  • 年内に転職先へ入社して年末まで勤務する場合は、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出し、前の会社の分も合わせて年末調整を受けるのが基本
  • 前の会社の給与の金額などが確認できないと、年末調整ができず、本人が確定申告で精算することになる
  • 年内に再就職せず、年末調整を受けていない場合は、確定申告(還付申告を含む)の対象になることがある。戻る金額があるかどうかは、収入や源泉徴収された税額によって異なる
  • 令和8年度税制改正は令和8年12月1日に施行。令和8年中に退職して年末調整を受けていない人などは、改正後の控除の適用を受けるために確定申告が必要とされている
  • 住民税は前年の所得に基づいて課税される。退職時期によって残りの税額の扱いが異なり、手続きの細部は自治体ごとに異なるため、市区町村と勤務先に確認する
参考にした公的機関の情報

※2026年10月時点で確認した内容です。税制や案内は改正・改定されることがあります。最新の情報は、国税庁・各自治体の公式サイトや、税務署・市区町村の窓口でご確認ください。

※本記事は、年の途中で転職したときの税金の基本について、公的機関の公表情報をまとめた一般的な情報です。税額の計算や個別の事情に応じた判断、節税に関するご相談は、税務署、市区町村の窓口、税理士などの専門家にお尋ねください。