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職場のハラスメントで転職を考えるとき|パワハラの相談窓口・記録の残し方・辞める前にできること

サイト管理人
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転職1回・転職活動3回を経験。実体験をもとに情報をお届けします。
職場のパワーハラスメント(パワハラ)などに悩み、「もう辞めたい」「でも、転職して大丈夫だろうか」と考えている方へ。つらい状況を、一人で抱え込まなくて大丈夫です。辞める前にも、辞めると決めたあとにも、使える公的な相談先や制度があります。この記事では、パワハラの国の定義、相談窓口、記録の残し方、心身の不調があるときの動き方、失業手当での離職理由の扱いを、厚生労働省などの案内で確認できた範囲でまとめました。「あなたの出来事がパワハラに当たる(当たらない)」といった判断や、法律相談はしません。退職の伝え方は「退職を伝えたら引き止められたとき」と「退職の切り出し方」、退職後の手続きは「退職に伴う手続きの記事」、気持ちの整え方は「転職活動がつらいとき」で説明しています。
⚠️ はじめにお読みください
2026年10月時点で、e-Gov法令検索、厚生労働省、ハローワーク、協会けんぽ、こころの耳の案内から確認できた内容をまとめた、一般的な情報です。この記事は、出来事がハラスメントに当たるかどうかの判断や、会社への請求の助言をするものではなく、法律相談でも医療の助言でもありません。窓口の受付時間や制度は変わることがあるため、ご利用の前に最新の案内をご確認ください。身の危険を感じるときは110番(警察)へ。体調が急に悪くなったときは、119番や最寄りの医療機関へ連絡してください。

① まず知っておきたいこと|辞める前にも、相談できる場所があります

悩んでいるとき、道は大きく3つに分けられます。相談して今の職場での改善を探る、相談や記録を進めながら転職活動も始める、先に退職を決める。どれが正解ということはなく、いつ、どれを選ぶかも、ご自身が決めてよいことです。

知っておきたいのは、「辞める」と決める前にも、決めたあとにも、使える相談先と制度があることです。厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、ハラスメントは我慢していても解決せず、時間がたつとエスカレートする可能性もあるとして、一人で悩まずに相談するよう案内されています。辞めるか迷う段階でも、相談できます。

この記事で主に扱うのはパワハラですが、セクシュアルハラスメントや、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントも、会社に防止の措置が義務づけられています(厚生労働省の資料)。転職活動を在職中に進めるか、退職後にするかは転職活動は在職中・退職後どちらがいい?で比べています。

② パワーハラスメントとは|国の定義と、会社に求められていること

国の定義(3つの要素)

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントを、次の3つの要素をすべて満たすものと説明しています。労働施策総合推進法(正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)の第31条の文言にもとづく考え方です。

要素 厚生労働省の説明(要旨)
① 優越的な関係を背景とした言動受ける側が、相手に抵抗や拒絶をしにくい関係を背景に行われるもの。上司の言動のほか、同僚・部下の言動や集団による行為も含まれる場合があるとされています
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの社会通念に照らして、業務上の必要性がない、または、やり方が相当でない言動
③ 就業環境が害される身体的・精神的な苦痛により、能力の発揮に重大な悪影響が出るなど、働くうえで看過できない程度の支障が生じること。「平均的な労働者の感じ方」が基準とされています

同じ資料には、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワハラに該当しないとあります。一方で、本人に問題行動があった場合でも、人格を否定するような言動など、その範囲を超えた言動があれば、パワハラに当たり得るとされています。どちらに当たるかは、目的、経緯、頻度などを総合して判断されるもので、この記事で線引きはできません。

代表的な言動は、身体的な攻撃(暴行・傷害)、精神的な攻撃(脅迫・侮辱・ひどい暴言など)、人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)、過大な要求、過小な要求(仕事を与えないことなど)、個の侵害(私的なことへの過度な立ち入り)の6つに整理されています。すべてを網羅するものではありません。ご自身の出来事が当てはまるかどうかを、一人で見極める必要はありません。会社の相談窓口には、該当するか微妙な場合も、広く相談に対応することが求められています。

会社に求められていること

会社(事業主)は、労働施策総合推進法第31条により、労働者の就業環境が害されないよう、相談に応じ適切に対応するための体制の整備その他の措置を講じなければならないとされています。2020年6月1日から大企業に、2022年4月1日から中小企業にも適用されています。厚生労働省の資料では、措置として次のような点が示されています。

相談したことや、会社の調査に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをすることは、同じ第31条で禁止されています。「相談すると立場が悪くなるのでは」と不安な方は、この点を知っておいてください。

※条文の番号について。e-Gov法令検索で2026年10月22日に確認した現行の条文では、この措置義務は第31条です。2026年10月1日施行の改正の前は第30条の2で、厚生労働省の資料には古い番号のものもあります。同じ改正で、社外の人の言動(いわゆるカスタマーハラスメント)への措置義務が第33条に設けられましたが、この記事では扱いません。

③ 相談できる窓口|社内と、社外の無料の窓口

あかるい職場応援団では、まず信頼できる同僚や上司に、難しければ人事部や社内の相談窓口に相談する流れが案内されています。相談窓口の整備はすべての会社に義務づけられているため、場所が分からないときは、人事・労務の担当者に聞く方法もあります。社内に窓口がない、社内で解決しなかった、相談しにくい、という場合は、社外の窓口を使えます。

社外の窓口 公的な案内にある内容
総合労働相談コーナー
(各都道府県労働局・労働基準監督署内など)
無料・予約不要。専門の相談員が面談または電話で対応。いじめ・嫌がらせ、パワハラなど労働問題全般が対象で、労働者・事業主のどちらからも相談できます。労働局では、労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんも行っています
都道府県労働委員会・都道府県庁の労政主管課当事者間での解決が難しい労働条件のトラブルについて、個別労働紛争のあっせんを行っています
法テラス(日本司法支援センター)相談内容に合わせて、解決に役立つ法制度や関係機関の相談窓口を、無料で案内しています
みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)差別や虐待、ハラスメントなど人権問題の相談電話。最寄りの法務局・地方法務局につながります
こころの耳働く人や家族向けに、メンタルヘルスの相談窓口や医療機関を紹介しています(第5章)

総合労働相談コーナーは土日・祝日・年末年始は閉庁で、開庁時間は窓口ごとに異なり、専門の相談員が不在の時間帯もあるため、事前に電話で確認するよう案内されています。お住まいの地域の窓口と電話番号は、厚生労働省の「総合労働相談コーナーのご案内」に都道府県別に載っています。国家公務員・地方公務員の方は、原則として、人事院や人事委員会など別の窓口になります。損害賠償の請求など、法律上の判断や手続きが必要なことは、弁護士などの専門家への相談になり、この記事では判断できません。

④ 記録の残し方|あとで事実を説明しやすくするために

あかるい職場応援団では、ハラスメントと思われる行為をされたときは、いつ・どこで・誰が・何を・何のために・どのようにしたのか(5W1H)を記録するよう案内されています。後々の事実確認に有効なので、メモや録音など、状況に合った方法で残すことがすすめられています。総合労働相談コーナーに行くときも、日時、場所、言われたことや強要されたこと、誰に言われたか、そのとき誰が見ていたか、を持っていくとよいとされています。書くときの項目の例は次のとおりです(一般的な整理の例です)。

一般的な考え方として、出来事の近いうちに日付を入れて書くと思い出しやすく、「何があったか」という事実と「どう感じたか」という気持ちを分けておくと整理しやすくなります。メールやチャットなど会社の情報を社外に持ち出してよいかは、会社のルールに関わることがあるため、相談窓口で確認してから進めると安心です。録音は公的な案内でも方法のひとつとされていますが、扱われ方は状況によって異なるため、迷うときは窓口で聞いてみてください。記録が法的にどう扱われるかは、この記事では判断できません。記録がまだなくても、今日から書き始めて大丈夫です。

⑤ 心身の不調があるとき|受診と、休むときの制度

あかるい職場応援団では、ハラスメントで体調や精神の健康に不調が出た場合は、できるだけ速やかに専門医の診断を受けるよう案内されています。会社が契約している医療機関の紹介や、産業医への相談もあげられています。この記事は診断や治療の助言をするものではありません。眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続くといったときは、記事を読み進めるより先に、医療機関に相談してください。

厚生労働省の「こころの耳」には、働く方やご家族が使える電話相談(フリーダイヤル0120-565-455)があります。受付は平日(月〜金)17:00〜22:00、土日10:00〜16:00とされています(祝日・振替休日・年末年始を除く。2026年10月時点のサイトの記載)。SNS相談とメール相談もあります。

仕事を休むときは、次の2つの制度のどちらに当たるかで窓口が異なります。ご自身で決める必要はなく、窓口で確認できます。

協会けんぽの案内では、傷病手当金を退職後も受けられる条件として、被保険者期間が継続して1年以上あることなどが示されています。退職日の決め方で扱いが変わることがあるため、退職日を決める前に、加入先の健康保険に確認しておくと安心です。

⑥ 辞める前・転職する前に確認したいこと|失業手当と離職理由

ハローワークの案内では、基本手当を受けるための被保険者期間は、原則として離職の日以前2年間に通算12か月以上ですが、特定受給資格者と特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あればよいとされています。給付日数は離職理由などで決まり、特定受給資格者は、一般の離職者より日数が手厚くなる場合があります。

ハローワークが示す「特定受給資格者の範囲」には、上司や同僚などからの故意の排斥、著しい冷遇、嫌がらせを受けて離職した場合が挙げられています。セクシュアルハラスメントの事実を会社が把握しながら必要な措置を講じなかった場合なども載っています。ただし、このページに「パワーハラスメント」という言葉は出てきません。ご自身の離職がどの区分になるかは、離職の理由や状況をもとに、ハローワークが判定します。心身の不調が理由になる場合の区分(特定理由離職者の範囲の例)も、同じページに載っています。当てはまるかどうかは、ハローワークで確認してください。

📝 離職票と離職理由について(ハローワーク・厚生労働省の案内より)
  • 離職理由は、受給資格の決定の際に、ハローワークが事実関係を調査したうえで判定するとされています
  • 離職票(離職証明書)には会社が作成した離職理由などが記載され、内容を確認するよう案内されています。異議がある場合(実際は退職勧奨なのに自己都合退職とされている場合など)は、ハローワークに相談するよう案内されています
  • 正当な理由がなく自己の都合で退職した場合は、7日間の待期のあと、退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月(一定の場合は3か月)、基本手当が支給されない期間(給付制限)があります

退職届にどのような理由を書くかが、離職理由の判定にどう影響するかは、確認した公的な案内からは分かりませんでした。書く前に、ハローワークや総合労働相談コーナーに聞いておくと安心です。手続き全般は退職に伴う手続きの記事、早く転職先が決まったときの手当は再就職手当の記事にあります。

辞める前に、次の点を確認しておくと、あとで慌てにくくなります。すべてを一度にやる必要はありません。

⑦ 退職の伝え方と、次の職場を選ぶときの見方

ハラスメントのある職場では、上司に退職を切り出すこと自体が大きな負担になることがあります。伝え方と法律上の退職のルールは退職を伝えたら引き止められたとき、準備は退職の切り出し方・円満退職のコツで説明しています。直接のやり取りが難しいときに退職代行サービスを考える方もいますが、ハラスメントが背景にあるときは、依頼する前に公的な相談窓口に事実を伝えておくと、あとの展開が整理しやすくなります。

面接で退職理由を聞かれたとき、無理に前向きな言葉に言い換える必要はなく、事実を淡々と、簡潔に伝えれば足りることを転職理由の伝え方で説明しています。特定の会社や個人を名指しで批判する必要はありません。

次の職場でも同じことが起きないか、不安な方は多いはずです。職場の雰囲気は求人票だけでは分かりにくいため、求人票の見方、転職口コミサイトの使い方、面接での逆質問などを組み合わせて情報を集める方法があります。パワハラの防止措置はすべての会社の義務なので、入社後に困ったときの相談先を、入社前や入社時の説明で確認しておくと安心です。入社後に違和感を覚えたときの向き合い方は転職後の試用期間で気をつけることに、転職先を選ぶ前の見直しは「転職して後悔しないために」の記事でまとめています。

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職場のことで悩みながら、転職も考え始めた方へ

ハラスメントの相談とは別に、転職の話を聞いてみたくなったとき、相談先のひとつとして転職エージェントを使う方法もあります。広告主の紹介では、ユメキャリAgentを運営するのは大手企業の現役の面接官で、転職エージェントのサービスとされています。なお、この広告はハラスメントの相談窓口ではありません。ハラスメントそのものの相談や法律上の判断は、第3章の公的な窓口や弁護士などの専門家へご相談ください。転職の相談は、気持ちが落ち着いてからで構いません。サービスの内容・対象・利用条件は、公式サイトでご確認ください。

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退職後の手続きを、先に見ておきたいときは

ハローワークでの手続きの流れや、健康保険・年金の切り替えを、別の記事で整理しています。

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📌 まとめ

  • 辞めると決める前にも、決めたあとにも、使える公的な相談先と制度がある。辞めるか迷う段階でも相談できる
  • パワハラは、国の定義では3つの要素をすべて満たすものとされ、適正な業務指示や指導は含まれない。当てはまるかどうかを一人で決める必要はない
  • 会社には相談体制の整備などの措置義務があり(現行は第31条。2026年10月1日の改正前は第30条の2)、相談したことを理由とする不利益な取扱いは禁止されている
  • 相談先は、社内の窓口のほか、総合労働相談コーナー(無料)、法テラス、みんなの人権110番など。法律上の判断は、弁護士などの専門家に相談する
  • 記録は5W1Hを意識して残す。体調に不調があるときは専門医へ。傷病手当金や労災保険、退職日の扱いは、決める前に窓口で確認する
  • 失業手当の離職理由はハローワークが事実関係を調べて判定する。離職票の理由に異議があるときは、ハローワークに相談する
参考にした公的機関の情報

※2026年10月22日時点で確認した内容です。法律の条文番号や、窓口の受付時間・制度は、変更されることがあります。最新の情報は、各機関の公式サイトや窓口でご確認ください。

※本記事は、職場のハラスメントと転職・退職にかかわる公的な案内を整理した、一般的な内容です。個別の出来事がハラスメントに当たるかどうかの判断、会社への請求の可否、法律相談、医療の助言は行っていません。ご自身の状況については、各窓口や専門家にご相談ください。